採用サイトの制作を検討する際に一番気になるのは費用面です。しかし、実際に相場を調べてみると制作会社ごとに価格は異なり、適正な価格がわからないことも少なくありません。
相場や費用について知識がない状態で依頼すると余計なお金を払ってしまったり、費用対効果の低いサイトになってしまいます。そこで、今回は採用サイト制作の料金・相場や制作会社の選ぶ際のコツを解説していきます。
別途料金がかかる項目や価格帯ごとの対応内容がわかると制作会社の選定もしやすくなるので、ぜひ参考にしてみて下さい。
この記事を読んだらわかること
・サイト制作会社を選定する際の注意点
・サイト制作の料金相場で重要なポイント
採用サイトは、採用戦略の1つでしかなく、とりあえず採用サイトを制作しても求人が増えることはありません。
弊社は、お客様の採用戦略に最適な採用サイトの提案ができますので、ぜひご相談ください!
採用サイト制作の費用や料金相場
まずは気になる採用サイト制作の費用と対応内容について解説をしていきます。一般的な採用サイトの費用を下記表にまとめたので参照してください。
相場 | こんな方にオススメ |
20万円以下 | ・とにかく安く制作したい ・原稿と構成は作れるので、デザインのみ依頼したい |
20〜60万円 | ・少しデザインにこだわりたい ・過去に制作した経験があり、サイト設計から採用戦略まで自社で完結できる |
60〜150万円 | ・制作した経験がなく、サイト設計については何から手をつけたらいいのかわからない ・オリジナリティのあるデザインで制作したい |
150万円以上 | ・採用サイトを使用した採用戦略に関してコンサルとして参画してもらいたい ・予算があり、確実に成果を出したい |
採用サイトの一般的な相場は50~100万程度です。この相場感は年々上昇しているように感じます。その理由としては、多くの企業が採用サイトを持つようになったため、他社との差別化に必要なコンテンツの企画から制作費用がかかるからです。
昨今、コロナの影響で採用にまで力を入れられない企業がほとんでしょう。ですが、より優秀な人を雇うには、採用サイトに対する先行投資が必要になりつつあります。
続いて、今まで弊社で制作してきた実績やクライアント様へのヒアリングから感じた相場感のお話を具体的に解説します。
20万円以下の場合、エントリーはほぼ見込めない
20万円以下で作成する場合、制作会社のテンプレートデザインを採用するか、Wixなどのクラウドサービスで作成することになります。基本的にはフリー素材を使用し、コンテンツもありふれたものしか作れません。
SNSやYouTubeなどの集客施策がうまくいっている会社であればいいですが、採用サイトからのエントリー数を増やすことはほぼできないでしょう。
20万円以下の相場というのは、タウンワークなどの求人媒体に載せるために、ひとまず採用サイトがあればいいという方向けの費用感です。
採用サイトからエントリー数を増やしたい場合、50万円以上は用意したい
採用サイトからエントリー数を増やす目的がある方は、少なくとも50万円以上は用意したいです。ただし、前述した通り近年多くの会社が採用サイトに力を入れているので、この費用感でもエントリー数が増えるかどうかは怪しいです。
競合他社が採用サイトにあまり力を入れていない業界で、最低限のコンテンツがあればいい方向けの費用感です。
150万円以上あれば、採用戦略まで提案してもらえる
ここで少し残念な話をすると、必ずしも採用サイトを制作したからと言ってエントリー数が増えるわけではありません。多くの採用サイトは採用戦略が必要です。
採用戦略とは、主にSNSでの発信や就職説明会への参加、求人媒体を使用したテクニックが該当します。150万円以上であれば、採用戦略に精通した制作会社に依頼できるため、より企業の採用活動が成功に近づきます。
ある程度事業も波に乗ってきて、採用を強化したいと考えている方向けの費用感です。
なぜ採用サイト制作の相場に差があるのか?
採用サイトの相場について解説してきましたが、なぜ相場に差が出てしまうのか?疑問に思われている方もいるでしょう。そこで採用の相場に差が出てしまう理由を解説していきます。
安い理由
安価な採用サイトは制作費の大半を占める人件費を削減するか、素材費がかからない施策をとっています。
具体的には以下の挙げるような施策です。
- デザインテンプレートを使用
- 写真撮影はしない
- リサーチや企画構成(サイトマップ)をやらない
それぞれ詳しく解説していきます。
デザインテンプレートを使用
基本的に安い採用サイトはデザインが固定化されたテンプレートを使用します。
テンプレートは文言や画像を流し込むだけでいいので、2~4週間程度の短期間でサイト作成から公開まで可能です。
ただし、レイアウトやコンテンツの配置は変更できないため、デザインで差別化することは難しくなります。
採用サイトは、「この会社面白そう」「話を聞いてみたい」と第一印象で感じてもらう必要があります。ですので、サイトデザインで差別化が図れない場合、よほどの制度や働きがいが説明できないとエントリーにはつながらないでしょう。
写真撮影はしない
低価格帯の採用サイトの費用に写真撮影は含まれません。採用サイトのメインと言ってもいい社員の写真や会社の写真はクライアントが用意する必要があります。
採用サイトに社員や社長の顔を載せるだけでエントリー数が増える事例もあるので、採用サイトにおいて写真はとても重要です。
すでにパンフレットやホームページの制作で、写真データを持っている場合、採用サイトに流用すれば問題ありません。
ですが、流用できるデータがない場合、素人が撮った写真を使用するわけにはいかないので、プロのカメラマンや制作会社に依頼することをおすすめします。
リサーチや企画構成(サイトマップ)をやらない
求職者に向けて社風や働く場の雰囲気を発信するため、「先輩社員の一言」や「企業の歴史」といったような独自コンテンツを設けるのが最近の採用サイトの主流です。
費用が安い制作会社は、これらのコンテンツ企画は行いません。リサーチや企画発案にかかる工数を削減し、制作費を大幅にカットしているため、安く提供できるのです。
しかし、安く制作した採用サイトでは、必要最低限の情報しか掲載できません。求職者がサイトに訪問しても会社概要や事業内容など無機質な情報しかアピールできません。そのため、他企業との差別化を図るのは難しくなります。
参考:【採用サイトの作り方】人材を引き付けるためのコツやポイント紹介
高い理由
採用サイトの制作費が高くなる理由は制作工程の多さで人件費が増えるか、サイトで使用する素材の多さで素材費かのどちらかです。具体的には以下のような施策をとっています。
- 社員のインタビューなどを掲載する
- オリジナルデザインで制作
- 採用サイト用に写真や動画を撮影
- サイト制作から採用戦略までサポート
それぞれ詳しく解説していきます。
社員のインタビューなどを掲載
社員のインタビューは、企業によって入れていない採用サイトもありますが、入れる場合、費用はその分高くなります。
社員インタビューで必要な業務は下記の通りです。
社員のスケジュール調整
インタビュー中の撮影
インタビュアーの人選
インタビューの文字起こし及び編集
インタビューの構成作り
上記業務は慣れていないと、かなりの工数がかかるので、自社で用意するのは厳しいでしょう。
ですが、社員のインタビューは、求職者が知りたい情報を網羅的に伝えることができるため、費用を出す価値はあります。
参考:採用サイトの「社員インタビュー(社員の声)」は何を載せるべき?|コツや質問内容を紹介
オリジナルデザインで制作
採用サイトは求職者に興味を持ってもらえないと意味がありません。他と似たり寄ったりの見た目では印象が薄いので、オリジナルデザインで差別化を図ることはとても需要です。
オリジナルデザインの制作には高い技術力を要します。そのためデザインに力入れている会社に依頼すれば費用は高くなりますが、その分イメージしていた採用サイトを制作できるでしょう。
また、優れた制作会社であれば、採用したい人物像をヒアリングし、その対象に最適なデザインを制作してくれます。
他社との差別化を図るだけでなく、求める人材から応募が来るように仕向ける上でもオリジナルデザインで採用サイトを制作する意味は大きいです。
採用サイト用に写真や動画を撮影
採用サイトで写真は重要と先述しましたが、近年の採用サイトでは写真だけでなく動画を入れる企業も増えてきています。
動画では企業が携わるプロジェクトをドキュメンタリータッチで紹介したり、インタビュー形式で社員に喋ってもらいながら社員の一日や仕事内容を紹介したり等。写真よりもリアリティを追求した表現方法が可能です。
採用サイト用に写真や動画を撮影すると価格は高くなりますが、それだけ反響も期待できます。
参考:反響が2倍?採用サイトに掲載する写真の特徴|重要性や撮影の料金相場も紹介
参考:採用サイトに動画を入れる効果は?メリットや制作費用を解説
サイト制作から採用戦略までサポート
高価格帯の採用サイト制作では、サイトの制作だけでなく、制作後の運用や改善方法までサポートしてくれます。
例えば、採用サイト公開後に出てくるよくある課題は、「企業が求めている人材が集まらない」「訪問者は増えているがコンバージョン(応募)に至らない」等です。
アフターフォローまで徹底して行う制作会社であれば、こういった課題に対する解決策をアクセス解析で取得したデータをもとに提示してくれるため、効率良く改善施策を実行できます。
採用サイト制作会社の選び方
採用サイトの制作は、コーポレートサイトやサービスサイトとは少し特徴が異なるので、Web制作会社ならどこでもいいというわけではありません。なるべく採用サイトを専門に取り扱っている制作会社や採用サイトの実績が多い制作会社を選ぶのがいいでしょう。
今回は、採用サイトを選ぶ際のポイントを5つご紹介します。
- 価格
- デザイン(制作実績)
- サービス内容
- 制作会社の特徴
- 担当者
価格
まず、制作会社を選ぶ際に最も重要なのが、価格でしょう。前述した相場から適切な価格を提示してくれる制作会社を選ばなければいけません。
制作したい採用サイトを制作会社へ伝え、見積もりや提案内容から選ぶといいでしょう。なお、見積もりの際は、2,3社に絞って依頼した方がやりとりの工数なども削減できます。
デザイン(制作実績)
続いて、制作会社の実績を確認しましょう。近い業種業態であれば採用したい人材もある程度近いため、なるべく近しい業種業態の制作実績を見せてもらうと良いです。
採用サイトの実績で見るポイントは、採用したい人材に対してしっかり訴求できているデザインであるかどうかです。
例えば。製造業で技術職を募集する場合は男性を狙いますが、アパレルやコスメ業界のマーケティングやセールススタッフの場合は若い女性がターゲットになります。ターゲットの性別や年齢によって刺さるデザインは異なるので、ターゲットとした人材や人物像も共有してもらうといいでしょう。
サービス内容
価格によって、サービス内容は変化しますが、同じ価格でも制作会社によってサービス内容が違う場合があります。また、企業によって対応できるサービス内容も異なるため、理想の採用サイトが実現できるかどうかも重要です。
目安として、確認してもらいたいサービス内容は下記5つです。
- コンテンツ内容
- 写真撮影
- 社員インタービュー・取材
- イラスト制作
- 制作会社の特徴
それでは詳しく解説していきます。
コンテンツ内容
採用サイトで他社と差別化を図るには、コンテンツ内容が重要です。下記、採用サイトには必ず入れて欲しいコンテンツです。
・募集要項(給与などの待遇)
・会社概要(経営理念や事業内容、歴史)
・代表者メッセージ(ビジョン、求める人物像)
・社員インタビュー(キャリアパス、やりがい)
・研修制度、福利厚生
・選考方法
・働き方(社風や社内の雰囲気)
以上のようにどういった会社か、募集している職種と待遇、どのような働き方ができるのか、職場の雰囲気はどうかなどは求職者が知りたい内容なので必要不可欠です。
もし余裕があれば下記ページも追加してみましょう。
・オリジナルコンテンツ(他社との差別化ができるもの)
・社員クロストーク(社員同士の対談)
・動画コンテンツ(インタビュー、プロジェクト紹介)
・インフォグラフィックス(会社の業績など数値化したデータ)
制作会社によって上記コンテンツが対応できない場合もあります。制作会社を選ぶ前にある程度どのような採用サイトを作成したいか、必ず入れたておきたいコンテンツなどを抽出しておきましょう。
イラスト制作
事業内容や会社の実績を紹介する際は文字よりもイラストやグラフを使う方が理解しやすい場合があります。特に知識や経験に乏しい新卒者にとっては、イラストの方が視覚的にわかりやすいのでおすすめです。
ただし、イラストは写真などと異なり、一からデザインする必要があるので、別途費用がかかります。そのため、1枚のイラストにつきどれくらいの費用がかかるのか確認しておきましょう。
写真撮影
採用サイトは社内の雰囲気などを伝える目的で社員の写真や仕事中の様子がわかる写真を掲載することが多いですが、サイトにマッチする写真がない場合は新たに準備をする必要があります。
写真の撮影なども含めて対応してくれる制作会社も多いですが、費用が見積もりの中に含まれているかは事前に確認をすべきです。もし対応ができないという場合は別途写真撮影の手配をしたり、自社内で解決をするという手間が増えてしまいます。
社員インタービュー・取材
社員のインタビューは社内の雰囲気を伝えるのに最適なコンテンツです。多くの企業が採用サイトに掲載しています。
そのため、社員インタビューや取材、文字起こしなどの対応ができるかどうか確認してください。
自社で対応するとしてもインタビューの内容などを考えるなどの手間も増えるので、できるだけ費用内で対応してもらえる制作会社に依頼をする方が良いでしょう。
制作会社の特徴
Web制作会社はそれぞれ以下のような特徴があります。
- 採用戦略が得意
- デザインが得意
- 安さが売り
採用サイトでの目標達成の可能性を高めたいのであれば、採用サイトの目標と合致する特徴を持つ制作会社の選定が重要です。
採用戦略が得意な制作会社は、企業の求める人材に的確にアプローチする施策やサイトの訪問者数、サイト経由の応募数をより高める改善施策に長けています。値は張りますが、費用対効果は最も期待できるでしょう。
デザインが得意な会社は競合他社とは一線を画す見た目の採用サイトを作りたい場合に向いています。ただし、このタイプは見た目の斬新さばかり重視してアフターフォローが行き届いていないこともあるので注意が必要です。
安さを売りにする制作会社は本格的な採用サイト制作には向いていません。必要最低限の情報だけを掲載した採用サイトが希望なら事足りますが、欲しい人材確保の強力な材料にはならないです。
担当者
企業と制作会社の接点となる担当者。双方が正しい共通認識を持ち、高いパフォーマンスを発揮できるサイトを制作するうえで、担当者の知識や理解力、コミュニケーション能力は欠かせません、
企業求職者それぞれのニーズに対する理解は浅くないか。打ち合わせや確認の連絡で曖昧な応答をしていないか。具体的かつ論理的な提案をしてくれるか。
担当者の能力や相性を見誤ると後々トラブルになりかねないので、慎重な見極めが必要です。
また、採用サイト制作の場合、多くの人間が関係してきます。営業担当、デザイン担当、インタビュー等コンテンツ制作担当など、複数の担当者を配置して業務を振り分けている場合が多いので、発注を決める前に誰が何を担当するか把握しておくようにしましょう。
まとめ:安さよりも成果が出ることを優先しよう
採用サイトの制作を依頼する際の費用や注意事項を紹介してきましたが、重要なことは安さよりも成果が出るサイトを作ることです。
当たり前のことですが、採用サイトは、企業の採用に大きく直結します。安く制作できたからと言ってエントリーが少なければ意味がありません。ですので、安さばかりに気を取られず、どうすればエントリー数が伸びるか、入りたいと思ってもらえるような採用サイトが制作できるかどうかが重要です。
ぜひ効果の高いサイトを制作し、素晴らしい人材を採用していきましょう。
この記事のおさらいポイント
・安い価格帯だとテンプレート通りのデザインしかできない
・高い価格の場合はコンサルや長期運用のサポートもしてもらえる
・見積もりをもらったら対応可能な範囲や別途オプションとなる項目を確認する
・採用サイト制作を依頼する場合は安さよりも効果が出るかを重視すべき
採用サイトは、採用戦略の1つでしかなく、とりあえず採用サイトを制作しても求人が増えることはありません。
弊社は、お客様の採用戦略に最適な採用サイトの提案ができますので、ぜひご相談ください!